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2023年世界港湾会議アブダビが開催されました

2023.11.10

2023年世界港湾会議アブダビは、2022年のバンクーバーに続いて対面方式で開催されました。参加者は、バンクーバー会議より多い約700名でしたが、中東アブダビでの開催であったことからアフリカからの参加者が多かったようです。

1.

役員人事について

 

IAPHの最高意思決定機関である役員会(Board)【会長及び6名の副会長】の任期(約2年間)が終了し、
新しい会長及び6名の副会長が選挙によって選ばれましたが、2023年11月2日にアブダビで開催されたIAPH年次総会(Annual General Meeting)において
正会員及び名誉会員による投票で選挙結果が承認され、下記の7名の役員が正式に就任しました。

新会長には、ドイツHamburg Port Authority CEOのJens Meier氏が就任し、その後任としてヨーロッパ代表の副会長にはHAROPA Port CEOのStéphane Raison氏が、さらに北米代表の副会長としてPort of Los Angeles Executive DirectorのEugene Seroka氏が就任しました。それ以外の4名の副会長は、現職の副会長が再選しました。

Meier新会長の強いリーダーシップの下、仏HAROPA港、米Los Angeles港という強力な副会長の就任によって、国際港湾協会の活動が益々活発になることが期待されます。

2.

主要セッションで議論されたテーマ

 

総会で議論された主要なテーマは主に以下の3点に集約されると思います。

  1. 2023年7月に国際海事機関(IMO)のGHG戦略が改訂され、2050年までに国際海運からのGHG排出ネットゼロを目指すことが大枠で合意されたことから、海運、港湾、荷主がそれぞれの立場でどのようにそれを実現していくかについて多面的な議論がなされました。
  2. 2024年1月より船舶の入出港手続きに関するMaritime Single Windowの導入が義務化されることに伴い、まだ間に合っていない港湾への取り組み強化を促すとともに、入出港手続きに留まらず港湾やターミナル・オペレーションさらにはサプライチェーンに関わるあらゆる分野のデジタル化の促進について議論されました。また、デジタル化が進めば進むほど重要性が高まっているサイバーセキュリティに関しても多くの参加者の興味を集めていました。日本でも7月に名古屋港のコンテナ・ターミナルでランサム・ウェア感染によるシステム障害が発生したことから、日本からの参加者も大いに興味を持って情報収集を行っていました。
  3. 今年の会議の特徴として、実質荷主(Beneficial Cargo Owner)がカーボンニュートラルを志向し、カーボンニュートラルな船社、航路、港湾を選択する傾向が強くなっているようです(イケアやカーギルが登壇したのが特徴的でした)。
3.

IAPH Sustainability Award 2023について

 

IAPH Sustainability Award 2023については、審査員による一次審査を通過した6つの分野の候補プロジェクトに対する一般からの投票によって受賞プロジェクトが決定し、それぞれの賞が授与されました。また、IAPH創立者の一人で元事務総長ある秋山龍氏の名前を冠した秋山賞については、後発開発途上国、内陸開発途上国または小島嶼開発途上国の中で最高位のプロジェクトに授与されました。

 今年は、韓国から応募のあった3プロジェクトが受賞したことから、来年以降、日本からの応募が増えて、受賞することを期待したいところです。

(1)Infrastructure部門  Busan Port Authority – Recycling of aggregates for construction
(2)Digitalization部門 Halifax Port Authority – Data Enhancement Framework 2 (DEF2)
(3)Climate and Energy部門  Port Authority of Santa Cruz de Tenerife – Tenerife Port ZERO
(4)Community Building部門    Puerto Dock Sud – Gender equality; “Train for Work” program
(5)Environmental Care部門    Yeosu Gwangyang Port Authority – Marine Plastic Collection and Utilization Network
(6)Health, Safety and Security部門      Yeosu Gwangyang Port Authority – Keeping port workers healthy
(7)秋山賞  Fiji Ports – Pathway towards Smart & Green Port

 

IAPH Sustainability Award受賞者及びAkiyama Award受賞者

4.

2024年の世界港湾会議はドイツハンブルグで開催

 

2024年の世界港湾会議は2024年10月8日(火)~10日(木)の日程でドイツのハンブルグで開催することが発表されました。

5.

2025年の世界港湾会議は神戸での開催が決定

 

国際港湾協会設立の準備会議が1952年に日本の神戸で開催され、3年間の準備期間を経て1955年に国際港湾協会が設立されてから70周年に当たる2025年の世界港湾会議は、縁の地である日本の神戸で開催することが決まりました。なお、開催日時は2025年秋頃(3日間)で調整中です。

 

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